2012年05月18日
2012年05月17日
Crimson King.
朝5時
今では もう明るくなっている季節
昨夜も 早く寝た
世界の出来事は 夜遅くに仕入れることはなくなった
眠りの中で赦されるように
夢を見る
朝の明るさとともに忘れ去る夢
これは現世界でも同じことのようだ
自我に目覚めるころから描いてきたもの
これはなにひとつ叶うものではなかった
叶わないから夢なのか
向かい続けるから夢なのか
そのあたりも理解できないままだ
遠くに見える工場のかげから
太陽が上がってくる
空気もゆっくりと動き始める
そう 下から上へ
その中に入り込んでいく
顔をあげることなく
足を進める
風が回り始めた
ようやく空を見上げる
太陽はどこにある
限りない明るさだけが増していく
夢は空想になり
その空をめがけ上へ上へとあがっていく
夜になり冷えた空気が地上にはりつくまで
2012年05月15日
Okinawa.
Okinawa bay blues
午前11時 ギャベッジトラックがやってくる
工場から そろそろと 人がでてくる
そうランチタイムだ
ギャベッジとは いわゆる生ごみの意味
やつらがいたずらっぽく こう呼ぶトラックは
コンテナトラックに調理器具をのせ
ハンバーガーからアイスクリームやスナック
飲み物はコーラはじめなんでも満載の
移動販売車のことだ
とにかく何でも乗っている
もし無くても 翌日には
そのギャベッジのメニューに加わっている
そして それはその日から
思わず口走った奴の 専用メニューとなる
昼はそのトラックが
10分から15分くらい
おかしなチャイムの音楽とともに現れて
さっと工場のドライブウェイに店を広げ
大声で ジョークを飛ばしながら
次の場所へ去っていくのだ
ここはいつも11時だ
工場も 11時から交替で昼休みになっている
そうは言っても 早番の始業は7時からだから
11時でも早くはない
みんながみんな そこでランチを仕入れることはないが
結構にぎわう 昼のひとときだった
食堂兼会議室みたいなところはあるが
多くのやつらは 自分のベイで食べる
立ったまま食べてるやつもいる
ジャガイモを レンジであたため
塩やバターをつけて 食べてるやつもいる
工場の規律は どこにあるんだろう
しかし やつらは 食べ終わると
すぐに仕事を始める
はやく 終わらせて はやく工場を出るためだ
タフな奴らだ
自分の仕事だ
仲もいいが 自分のペースだ
その日はタバコが終わってしまった
ポーターの一人に ピースのサインを送る
そいつは 指笛で 他の若いポーターに合図する
工場の隅に置かれた 汚いロッカーから
取り出してもってくる
こんな商売をしている奴もいる
この中では 誰もが町に住んでいるようだ
タバコを手渡しながら もう一方の手で金を受け取る
そして 無邪気な顔をして言った
「このタバコの赤と白の意味をしってるか?」
首を横に振る
すると ますます得意げな顔になった
「この赤いのは女の口紅の色さ
白いのはタバコ
実は 女が吸ったタバコを
デザインにしてるんだ」
納得はしたが 信用はしていない
やつらのいうことがどこまで本当のことなのか
それで 恥をかいたやつも結構いる
しかしながら信用しようと思った
タバコのパッケージをじっと見る
男たちが そんなことを考えながら
どんどん開拓されていく大地に腰を下ろし
つかの間の安息を 楽しむ姿
少しの郷愁と 明日への淡い期待
もうひとつの話も聞いた
「いつか 行きたい国がある
お前の生まれた国だ
俺の生まれ故郷の 友達がいるんだ
けっこう暑いところらしいが
海がきれいだと手紙がきたよ
人も街も好きだとも書いてあった
沖縄(Okinawa)ってところだ」
「そいつは基地にいたんだが
帰ってきて 除隊して またそこへ
行っちまったんだ ビックリさ
なにが そんなにいいところなのか
俺も見てみたいと思ってるんだ」
「でも 俺は帰ってくるよ
そこで何が起きたか
勉強したよ
よその国に行けることは
楽しいもんさ
でも 行けるようになったってことは
行けるようにした人たちがいるんだ
誰だって知らないやつを
自分の家へ 簡単には入れないだろ」
赤と白の箱のタバコ
この国も 何かを抱えたまま膨らんでいる
善悪は 長い歴史の中で色あせる
大きなことをしたことが歴史の中で賛美される
そして それは答えではない
未来の道を選ぶ灯りのようなものだ
箱の意味だって 答えじゃなく
それを手にするやつらの 闇を照らす火だ
信じれば つながる
過去と未来が つながる
また明日もギャベッジはやってくる
たまにはランチ買ってみよう
やつにも タバコを頼もうか
あの島へ行けるよう
ほんのちょっとだけ協力してやるか
ただ またうまくだまされないように
話しは少しだけ信じるようにしよう
また明日も今日と同じだろうな
でも 楽しいよ
遠く離れている 無責任さか
いい時代に生まれたと
信じておこう
赤白の話しも とっておこう
Okinawa 沖縄
ここからなら
遠くない
午前11時 ギャベッジトラックがやってくる
工場から そろそろと 人がでてくる
そうランチタイムだ
ギャベッジとは いわゆる生ごみの意味
やつらがいたずらっぽく こう呼ぶトラックは
コンテナトラックに調理器具をのせ
ハンバーガーからアイスクリームやスナック
飲み物はコーラはじめなんでも満載の
移動販売車のことだ
とにかく何でも乗っている
もし無くても 翌日には
そのギャベッジのメニューに加わっている
そして それはその日から
思わず口走った奴の 専用メニューとなる
昼はそのトラックが
10分から15分くらい
おかしなチャイムの音楽とともに現れて
さっと工場のドライブウェイに店を広げ
大声で ジョークを飛ばしながら
次の場所へ去っていくのだ
ここはいつも11時だ
工場も 11時から交替で昼休みになっている
そうは言っても 早番の始業は7時からだから
11時でも早くはない
みんながみんな そこでランチを仕入れることはないが
結構にぎわう 昼のひとときだった
食堂兼会議室みたいなところはあるが
多くのやつらは 自分のベイで食べる
立ったまま食べてるやつもいる
ジャガイモを レンジであたため
塩やバターをつけて 食べてるやつもいる
工場の規律は どこにあるんだろう
しかし やつらは 食べ終わると
すぐに仕事を始める
はやく 終わらせて はやく工場を出るためだ
タフな奴らだ
自分の仕事だ
仲もいいが 自分のペースだ
その日はタバコが終わってしまった
ポーターの一人に ピースのサインを送る
そいつは 指笛で 他の若いポーターに合図する
工場の隅に置かれた 汚いロッカーから
取り出してもってくる
こんな商売をしている奴もいる
この中では 誰もが町に住んでいるようだ
タバコを手渡しながら もう一方の手で金を受け取る
そして 無邪気な顔をして言った
「このタバコの赤と白の意味をしってるか?」
首を横に振る
すると ますます得意げな顔になった
「この赤いのは女の口紅の色さ
白いのはタバコ
実は 女が吸ったタバコを
デザインにしてるんだ」
納得はしたが 信用はしていない
やつらのいうことがどこまで本当のことなのか
それで 恥をかいたやつも結構いる
しかしながら信用しようと思った
タバコのパッケージをじっと見る
男たちが そんなことを考えながら
どんどん開拓されていく大地に腰を下ろし
つかの間の安息を 楽しむ姿
少しの郷愁と 明日への淡い期待
もうひとつの話も聞いた
「いつか 行きたい国がある
お前の生まれた国だ
俺の生まれ故郷の 友達がいるんだ
けっこう暑いところらしいが
海がきれいだと手紙がきたよ
人も街も好きだとも書いてあった
沖縄(Okinawa)ってところだ」
「そいつは基地にいたんだが
帰ってきて 除隊して またそこへ
行っちまったんだ ビックリさ
なにが そんなにいいところなのか
俺も見てみたいと思ってるんだ」
「でも 俺は帰ってくるよ
そこで何が起きたか
勉強したよ
よその国に行けることは
楽しいもんさ
でも 行けるようになったってことは
行けるようにした人たちがいるんだ
誰だって知らないやつを
自分の家へ 簡単には入れないだろ」
赤と白の箱のタバコ
この国も 何かを抱えたまま膨らんでいる
善悪は 長い歴史の中で色あせる
大きなことをしたことが歴史の中で賛美される
そして それは答えではない
未来の道を選ぶ灯りのようなものだ
箱の意味だって 答えじゃなく
それを手にするやつらの 闇を照らす火だ
信じれば つながる
過去と未来が つながる
また明日もギャベッジはやってくる
たまにはランチ買ってみよう
やつにも タバコを頼もうか
あの島へ行けるよう
ほんのちょっとだけ協力してやるか
ただ またうまくだまされないように
話しは少しだけ信じるようにしよう
また明日も今日と同じだろうな
でも 楽しいよ
遠く離れている 無責任さか
いい時代に生まれたと
信じておこう
赤白の話しも とっておこう
Okinawa 沖縄
ここからなら
遠くない
2012年05月12日
母
あれ~ この道を降りると海だったよね
気がつけば 何年もたっていた
道の様は変わり 広くなったり 無くなったりして
こんなに大きな 絶対にたどり着けるようなところでも
しばらく 知らん顔していたことに
意地悪をされているような気もした
必要かどうかでもし聞かれれば
決して 大切とは言い難いご無沙汰
でも いつも 本当にいつも
そこにあるから
そんな次元で問う方がおかしいかもしれない
そんなことを考えながら
ゆっくりとクルマをすすめていく
下り坂だ
海へでる道だというのが わかる
濃い緑の壁が クルマの両側に
迫ってくる
ところどころ 刈り取った草が
黄色になって道に敷いてある
とてもいいアクセントだ
すーっとクルマは下っていく
アクセルなんて踏まなくても
どんどん緑の壁の間を滑っていく
ブレーキに足をのせて
スピードを調節しているくらいだ
ふと ごつごつとした感触が
クルマに伝わってきた
石ころやアスファルトのでこぼこ
それに混じって
海の砂が うっすらとにじんできた
潮の香りは いつも重たい
街中の埃っぽいのとは違う
独特の重量感
それに相反するように
気持ちは少しずつ
軽くなっていく
かすかに水平線が見え
もう一度 右にハンドルを切って
そのあと大きく左カーブを曲がる
砂浜と波とがあらわれた
海の広さは知っていても
広さの感覚がうまく はまらない
ただ広い
水平線も遠いのか何なのか
ただ 空は目の前いっぱいにある
そのまま 海に向かって車をとめた
窓を少しおろす
相変わらず 重い風が
ずんと入り込んできた
静かに
海を見 波の音を聞いていると
過去も現在も未来も
全部 ひとつに丸くまとまっていく
深く深く考える
今いることについて
答えがここだった
すべては ここから
生命が生まれ 戻る場所
確認だ
今 生きていることの
きっと ここから始まった
母だ
だから 今 ここにいる
気がつけば 何年もたっていた
道の様は変わり 広くなったり 無くなったりして
こんなに大きな 絶対にたどり着けるようなところでも
しばらく 知らん顔していたことに
意地悪をされているような気もした
必要かどうかでもし聞かれれば
決して 大切とは言い難いご無沙汰
でも いつも 本当にいつも
そこにあるから
そんな次元で問う方がおかしいかもしれない
そんなことを考えながら
ゆっくりとクルマをすすめていく
下り坂だ
海へでる道だというのが わかる
濃い緑の壁が クルマの両側に
迫ってくる
ところどころ 刈り取った草が
黄色になって道に敷いてある
とてもいいアクセントだ
すーっとクルマは下っていく
アクセルなんて踏まなくても
どんどん緑の壁の間を滑っていく
ブレーキに足をのせて
スピードを調節しているくらいだ
ふと ごつごつとした感触が
クルマに伝わってきた
石ころやアスファルトのでこぼこ
それに混じって
海の砂が うっすらとにじんできた
潮の香りは いつも重たい
街中の埃っぽいのとは違う
独特の重量感
それに相反するように
気持ちは少しずつ
軽くなっていく
かすかに水平線が見え
もう一度 右にハンドルを切って
そのあと大きく左カーブを曲がる
砂浜と波とがあらわれた
海の広さは知っていても
広さの感覚がうまく はまらない
ただ広い
水平線も遠いのか何なのか
ただ 空は目の前いっぱいにある
そのまま 海に向かって車をとめた
窓を少しおろす
相変わらず 重い風が
ずんと入り込んできた
静かに
海を見 波の音を聞いていると
過去も現在も未来も
全部 ひとつに丸くまとまっていく
深く深く考える
今いることについて
答えがここだった
すべては ここから
生命が生まれ 戻る場所
確認だ
今 生きていることの
きっと ここから始まった
母だ
だから 今 ここにいる
2012年05月08日
2012年05月07日
2012年05月06日
2000t
穏やかにやさしく日がさして
暖かい風が
たちまち
真っ黒な雲が雷鳴とともに
やってきた
アウェイのスタジアムで聞く
歓声だ
あるいは
明日から始まる
新しいラウンドの
ゴング
2000t
視線をあげる前の
この静けさ
何事もなかったような
冷たい空気
2012年05月04日
みどりの日
Doors
雨も上がって
日のさしはじめた
コンクリートの道を歩く
何か時間が決まっているわけではない
駅に着いたら来る電車に乗るだけだ
少しずつ
水と温度と光が
増えて上がって長くなり
道端のコンクリートの切れたところから
たくさんの緑が
伸びてきている
揺れる草からは
さっきまで降っていた雨の粒が
きらっと光って
葉のかげに落ちていく
歩くこともいやになるほど
春の風は
頭の中を吹き抜ける
ふと 立ち止まり
顔をあげた
そういえば
足元を見ながら歩いていた
空にはまだ鉛を残した雲が
右から左へ 流れている
そして振り返る
両側に 緑を抱えた
まっすぐな道
なぜかひらめき決意がわいた
来た道をもどろう
そして あの曲がり角までいったら
違う道を歩いてみよう
遅くはないと 言う
いつからでも大丈夫だ
そういうものだ
後戻りする力があれば
いま立ち止まるここに
分かれ道 三叉路 四つ角が
ないのなら
同時に
前に進むことも考える
駅は近い
でも
ホームに立って
すぐに電車がくることも
期待していないのだ
そのまま振り返った方へ
歩き出す
雲は左から右へ流れる
コンクリートは乾いてきている
両側で揺れる緑も
雨粒は葉からさよならし
とても軽やかだ
違う道だ
後戻りは
違う道を選ぶこと
時間はずっと回っている
電車の時間はわからない
2012年05月02日
緑の町に舞い降りて
乗り物で遠くへ行くことは
特別な時間だった
なんといっても
クルマが唯一の手段だった
電車よりクルマの方が圧倒的に
多かった
ありがたいことにクルマは
身近な存在で
逆に鉄道で遠くへ行くことに
憧れていたこともある
クルマは
同じ移動空間を
同じ時間 過ごす
夢の乗り物だった
ましてや
一人で車に乗ることは
幼いころは
考えもつかないことでもあり
大きな冒険として
人生の夢でもあったように思う
ただ その頃でも舟や飛行機
宇宙だって すでに人類は覗いていたし
世界一の高い山や深い海も
征服という言葉で
挿絵の入った子供向けの本もでていた
すごいスピードで時代は流れる
今日の事は すでに遠い過去
急流のごとく
毎日 新しいものが生まれていた
やっぱり
今でも飛行機は特別の乗り物だ
ただ
最初に乗ったのがいつだったのか
思い出せない
あれは じつは新幹線だったのか
地下鉄だったのか
あるいは 車ごと乗りこんだフェリーなのか
混濁した記憶は
いつまでたっても澄んでこない
それどころか 透明な水のごとく
それすらも消えてしまいそうだ
きっと何回目かの搭乗
といっても数えるほどしか機会はなかった
だから 初めてか二回目か
それほど緊張していたわけではないのだが
それさえもおぼろげな 情けない記憶
いい思い出であったはずが
心の中の宝箱から なくなっている
国内線の1時間半ほどのフライトは
なんてことのない時間だった
機内をゆらゆらとタバコの煙がゆれている
ある意味 いい時代だ
どこに行ったのか
どこの空港に降りたのか
そのあと どうやって空港をでたのか
その日は晴れていた
それだけは覚えている
間違っているかもしれないが
晴れていたと考えている
せめて晴れていてくれなきゃ
記憶にない旅のストーリーは
また変わってしまう
緑の町
五月なのかもわからないままだ
2012年05月01日
Father and Son
ずーっと道が続く
あまりに同じ景色で
結局はたいして記憶もない
いくつかのガスステーションを過ぎ
小高い岩山のかげにある町に入った
通りには いくつかの店
アスファルトには埃がうっすら
タイヤの乗る二本の筋が町はずれまで続いている
ガソリンのゲージはまだ大丈夫の位置
知らず知らずにスピードが落ちている
自分で決めたわけではないのに
町で唯一っぽいスタンドに
惰性ではいっていった
目の中に射し込んでくるような光で
店の中は真っ暗にみえる
ドラム缶がいくつか
コンクリートの壁に並んでいる
キーンとしたガソリンのにおいがする
ずっと香りのない中を走ってきているから
頭の中に入り込み
クラッとする
しかし うれしく思う
今は こんなことでほっとできる
僕の燃料計はガス欠寸前だったのかもしれない
Johnny Cash
この後の 広大な景色が
やはり頭に残っていない
これほど 焦がれて来たこの地も
遠く住んできた あの町の風景と
あまり変わらないということか
自らを放り投げることで
解放なんて言葉じゃなく
肌から そして心の芯から
同じ温度 湿度 風 光
匂い 音
同体化していくのだ
水と熱湯を混ぜると 徐々に
お互いのいいところに落ち着くようなもの
さて
ここから 探さなきゃいけない
自分に強烈に刻み付けるもの
いつまでも鮮明によみがえるもの
時間をかけて刻んでいく
焼き付ける
それほどに
心はかたいものだ