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2015年12月22日

冬至

どうやら この世界には不思議な力というものがあるようだ

半分信じているだけなのに
それにしがみつく

自分の中にある不思議な力

大抵は思いとは違う方に
よく働く

経験からしてまず間違いない

あるような気持ちにきりをつけて

あまり不思議と考えないのが
良さそうだ

  

Posted by びらーだ at 17:45
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2015年12月18日

近いような

低い山が重なりあう それが黒塗りの壁のように三方を囲んでいる

唯一開けた方角に向かって
ほとんどが滑り落ちていく

大きければ大きいほど
ひとつの規則で動くものだ

それも同じ速さで

だから時間も同じ速さ

歪むことなく

そしてまたすべてのものを
包み込んでいる

あぁわかった

ようなふりをして呟いてみる

僕の持っているいくらかを
少しの欺瞞と傲慢に費やした

山々の一辺に
燃える陽が消えていく

同じ速さで
  

Posted by びらーだ at 17:42
Comments(0)なにげないひと時

2015年12月17日

静かに

青白い光の軌跡を眺めながら 列車の窓の冷気に 手をあてる 

暖かかった手のひらが ためらうことなく その熱を 曇りかけた窓ガラスに与えるのだ

やっと冬らしくなった

冷たくなった手のひらが

今頃 季節の声を受けとめた
  

Posted by びらーだ at 16:44
Comments(0)

2015年12月10日

ちょっとそこまで



朝早くに目が覚めた。
眠れないわけではないが 静かに目覚めてしまう

いつの間にか睡眠時間の占める割合が
少し減ってきていると感じる

人生への愛しさは
目覚めている時ばかりではなく 
音も光も匂いもなく ただ眠る中にもある

体の縮むような冷たい風と
夜が来るのを切望してしまう
曇り空に

どうしようもない無力感が湧いてきた

ドアのキーに手を伸ばすには
もう少しばかり何かで勇気を
呼び起こす必要があった

何キロか何十キロか
離れているところまで

冷たく固くなったままでは
口を動かすにも努力しなくてはならない

もう一度目を閉じて
いつもより深く呼吸をした

グレーに濃く塗られた影は
目をあける毎に短くなった
 
だが 光の矢がその角度を変えるほど

濃度を増して
地面に貼り付いていったのだ

  

Posted by びらーだ at 20:37
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2015年11月21日

11月21日の記事

誰もが知る街で、僕は僕の知らない人達が
なんの前触れもなくその人生を終えたことをニュースで初めて知った

百数十の命

その重さを語る言葉などない。

刻々と耳に入るニュース
翌朝の新聞
テレビ ラジオ

人々には事が起きたことを
知らせるには十分だ。

リアクション

何人も外に向かって
自分の情報を発信できる今

笑いや喜びの感情以外の部分で
その時の感情を表現する

僕や私の日常ではないところ

これほど深く複雑な……


何に共鳴し、
何に抗うのか

どこに いろいろな道を
意味のあるものにできるのか

遠き地にいる私達は
一瞬でも 

千年の歴史に
しっかりと目を通すこと

それも無限のなかの
ひとつとして
音や痛みや思考の
霞むほど高い壁の前で

今 しても良いことだと
静かに考える













ひとときの安らぎや快楽を求めて






こんなこといってるのが能天気平和
でもある  

Posted by びらーだ at 21:51
Comments(0)なにげないひと時

2015年09月11日

9月11日の記事




湿った空気が宇宙の色を思いっきり吸い込んだような

毎日 空の青がどんどん遠くなっていく





時計の針のように同じところに戻ってくる

でもどこかに近づいているのは確かな事なのだ






向こう岸との間には

空を写した静かな流れがある

いつも横切っていく

岸とのバーチカルが

届こうとする風に乗った気持ちを

あまりに遠く感じさせるのか



  

Posted by びらーだ at 15:48
Comments(0)なにげないひと時

2015年08月06日

8月6日の記事




長い間同じことをし続けるのは至難だ

いつみてもずっとそこにある

毎日でもあるいは
何年も忘れてしまっても

ある日ふと思い出してみると
ちゃんとそこにある

おんなじ人がそこにいる

年をとってもカラダのあちこちが痛くっても

変わらずに全力でなく
気も抜かず

欲はあっても

そのためのみには動かない


僕が小さい頃

どうしても食べたかった小さな食堂の味

母に何度もお願いして

いくつもの道を横切って

おじさんはバイクでその味を届けてくれた

でもその頃のおじさんは

今の僕なんかよりずっと若くて

いわゆる働き盛りで

元気いっぱいだったのだ



何回か日曜日を迎えると その味が恋しくなり

おじさんのバイクの音を待つのだ

数年のあいだ

そんなことが続いた

他にもたくさんのことがあったと思うけど

少し静かにしていると

忘れてしまったおじさんの顔も

思い出せるような気がするのだ



でも

いつの間にか
そういうことを振り払いたくなる年頃になり

今でも思い出せないような昨日と同じ今日を過ごす日々が
延々と続いたのだ



いろいろなことが後から後から浮かんできてはすっと消えていく

最近はそんな繰り返しに少しうんざりしながらも

痛むカラダを無理やりに動かしている



  

Posted by びらーだ at 16:08
Comments(0)なにげないひと時