2014年12月31日
僕の時間 time
自分でも気づかないことは多く
日々の暮らしもそのまま過ぎて行ってしまう
小銭入れを忘れたり
夕方暗くなって洗濯物を慌てて取り込んだり
コミュニティのボランティアの日にちを間違えていたり
僕の人生は他の多くの人たちとそれほど変わるものでは
なかったはずだ
誰もが同じように経験しながら時間の中を進んでいく
光だろうが僕が歩こうが
一瞬の進む距離は違っても
時間は同じだ
僕の通りすぎてきた時間をいまさら評価しても
何の意味もないだろう
全てが初めての経験でやってきたこと
繰り返すこと それは新しい経験
彼の息子は静かに
僕を見ながら とても優しく微笑んでいる
「そろそろ いきましょうか」
僕は軽く手で合図をして
テーブルにあったナプキンでそっと顔を拭いた
何となくわかっていた
僕の時間はここでひとつの区切りをつける
現実を歩いてきたと思っていたのに
でもこうして心の震えることを現実として
僕は感じてもきた
夢だってその世界にひと時でもさまようのなら
そのことは現実としてとらえられる
ただ僕に起こらなかっただけだ
一体どこまでが僕の時間と言えたのだろう
彼のあの不思議な話は何のためだったのか
あたりの色は少しずつ薄くなっていく
想像しても宇宙の色は極彩色ではない
光と影がその空間を満たしている
「この前とても不思議なことがあったんだ」
その声に僕はふと我に帰る
彼だ
あの頃の彼だ
「もうわかったよ
ありがとう
僕もいい経験をしたよ
僕にも
受け取る価値があるんだね
救ってくれて感謝しているよ
僕も行くよ」
僕もあの頃に帰る
僕にもやっとその答えがわかった
席を立とうとして
テーブルの上にあった写真に手を伸ばす
もう一度 写真を見た
彼の家
彼と僕が笑っている
でも
あの木は
彼が植えた
イブに二人で見たあの木は
写真の中にはもうなかった
Thanks for all.
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