2014年12月03日
僕の時間 3
ガススタンドで満タンにして
コーヒーを一杯ついでに買った
仕事おわりでもまだ日は高い
しかしすでにクリスマスも
もうすぐTVニュースの話題になるだろう
いつもは真っ直ぐ家に戻るのだが
今日はどうもそんな気にはならない
昔はいつもだったけど
最近では何か月かにあるかないかの気持ちだ
いつものインターはすでに詰まっている
一台ずつ本線に合流する
まったく快適なスピードとはいかないが
僕のピックアップではこれくらいがちょうどいい
行く先なんか考えてもない
ガスもたくさん入っているから一晩中走っていても大丈夫なんだけど
ラジオの音を少し下げた
この道はコンクリートでできているから
タイヤのうねる音や周りのクルマの音で
車内は結構うるさいんだ
窓を少し開ける
ずっと吸ってなかったがコンソールの中に
この前一緒に遊びに行った友達のマルボロがあるはずだ
前を見ながら体を傾けてタバコを手さぐりで取り出した
そのまま手を上下にふり
少しだけ頭を出したブラウンのフィルターをくわえて引っ張り出した
あっ
火がないや
もうすでにタバコの味を体が期待しているのに
もうコンソールの中を探す気にもならない
胸のポケットに折れないようにそっとしまった
彼の不思議な体験をふと思い出した
そういえばあれから彼にも会ってないし
あの話の結論も出ていない
なんで女性だったのかっていうのも
彼の勝手な思い込みで
彼の話を聞いても
まったく確証なんてないのだった
ただ花の咲くその鉢植えが
彼の心の中で
女性の仕業であって欲しいとの
単なる希望だったのかもしれない
車内が冷えてきた
ヒーターを入れる
たぶん今年初めてだ
温かい空気が足元から流れ
埃っぽくそしてかすかなタバコのにおいが
湧き上がってきた
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