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2014年10月09日

again

again


ただじっとしているだけだけれど

おなかは空くのである

昨日のお昼は何だったっけ?

考えれば

出てくるのは

コンビニのメニューばかり


これでは

十分な栄養を摂ることはできないと

世の昼休みが終わったころから

こそこそと動き出したのである


そういえば中学生の頃

かつ丼のおいしさにのけぞったことを思い出した

となりの校区にある食堂のかつ丼

その近所に住む友人の紹介だったのだが

あまりのおいしさに

うちの母ちゃんに頼み込んで

たまに出前をしてもらっていたのだ

思い出した


そのお店は そのしばらく後に引っ越しをした

ありがたいことに それまでの場所より近くなっていたのである

その後もたまの出前は続いたが

いつが最後なのかはわからないが

何十年もその店のかつ丼を食べることはなかったのである


最近では どんぶりものを食べると言ったら

うどんやそばの店に行った時だけだろう


生意気なことだが

かつ丼は 少し過去のものになっていたのは事実である

自分的に言うと卒業したとか

しばらく休憩とか

新しい発見をしたとか

しばらく旅に出るぜとか

そんな感覚なのである

それが今日は地球を一回りして

出発地点に戻ったような気持ちになり

かつ丼を求めて

彼の地のお店へ赴こうと決意したのだ


たしかあそこを曲がった先だったなと

記憶をたどり

慎重に右側の通りを気にしながら車を進める

果たして

その店はきれいな建物になり

駐車場も完備

看板も歩道に控えめに出ていたのだ

感嘆の声が出てしまったのは言うまでもない

しかしあの大将と奥さんがやってるのなら

一体何歳になってんだろうと

余計な心配をしていたら

ハンドルを切る間もなく通りすぎてしまったのだ

ふたたび声をあげた

今度は悔悟の声だ

己の責任だから仕方ない

後ろからは何台か車が続いてきている


先導車よろしくそのまま直進し大通りを横切った

昼にかつ丼だと少し重いだろうか

麺類はラーメンくらいなものだろうか

刺身は出前したことないけどきっとあるだろうな

そもそも当時のご主人がやっているんだよな

適当に左折を繰り返し元の道に出て

またそこへ向かう途中も心配事が一つずつ増えていった

どうせ毎日やってくる昼の時間だ

どんな店になっていてもお昼を食べるという目的には適うではないか

とりあえず行ってみよう

かなりの高齢の店主なら 高確率であの店なのだ

かつ丼好きでした

とでも話してみよう

出前をしていただきありがとうございます

ともお礼言おう

覚えてるわけないよな

自問自答で今度は左側に注意を払う用意をした

大通りを再び横切り 集中

左側の先に

歩道に少し飛び出した看板が目に入った



駐車場は一杯

右手はウインカーを上げかけている

が入れない

あわてて何もなかったように直進する

左に注意を払っていたおかげで

フン詰まりになるのは避けられた


駐車場のキャパは2台なのだ

あ また伝説の店が遠ざかっていった

仕方ない3度目はないだろう

また思い出したら来ればいいさ


ふと 唇をゆがめ笑っている自分に気づいた

昼は今日もコンビニメニューだった

しかしかつ丼ではない











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