2014年10月08日
no colour
「いつの時代が楽しかったですか」
と聞く
小さな頃だと答える
今でも記憶に残せるくらいの頃だ
すると答えは小学生あたりというのがとても多い
仲良しの友達
楽しく遊んだ思い出
学校の行事
先生の言葉や笑顔
そして何より
家で起きた何気ない出来事
家族の笑い声
叱られたり 喧嘩したり
泣いたり
でも
どうしても あの頃がいいんだよ
そう言いながら 静かに微笑んでいる
経験から でこぼこになっている道を振り返る
そして また道をならそうとする
でも
知らないうちに そのでこぼこ道を思い切り走って
あの頃に会いに行きたいと思うのだ
未来には夢がある
今には楽しみや喜びがある
でも
過去には 人にとって
こっそりと
すべてを許してくれる優しさがあるのだ
過去を失うものが認知症だ
大切な人に
過去はもうない
いい時代を蘇らせたり
さらには
未来を夢見ることも
できない
今はすぐに過去になるが
シャボン玉のように
次々と消えていく
だから
今を許してあげようと思う
そして次々と溢れてくる今を
せせらぎに手を伸ばすように
ただ
流れを感じようと思うのだ
深い闇
目を凝らすほど黒は増し
帰り道まで見えなくなった
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