2014年09月11日
becoming
その頃は空の青さや風の匂い
花の美しさなんてただ体で受けているだけだった
それくらい昔の事
いつも遊ぶ広場の入り口ではなくて
反対側のフェンスの切れ目から僕たちは出入りしていた
学校の帰り道だとそこからが一番の近道だったのだ
誰が穴を開けたのかわからない
きっと何年か上の上級生がやったのだろう
今だからそう考えるだけで 当時は当たり前の穴であった
ただそのおかげで僕らもだけど
あたりに暮らす犬や猫にとってもとてもありがたいことでもあったのだ
いつも何人かでそこを通り抜ける
ランドセルを背負ったままだとちょっと厳しいので
先にくぐらせる
そして体を曲げて抜けていく
その先には草があちこちに生えている空き地
何人かがもうすでに遊んでいる
僕らもわっと駆け出してその中に溶けていく
遊びの内容は忘れてしまったが
とにかく日が暮れるまではそこで過ごすのだ
ただ毎日そこに行っていたわけではない
川や田んぼや小さな森や友達の家
毎日気持ちのままにいろいろなところに出没していたのだ
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