2014年08月26日
end of
何十年も前のことをいつまでも覚えている
忘れていたことを何度も楽しそうに繰り返す
何でそんなこと覚えてんだ
それほどに深く刻まれていたんだな
俺の中では消えていたことだ
窓越しに大きな工場の建物が見える
朝九時を回るとひとつひとつ静かに窓が開いていく
ぐわんぐわんとこもっていた音が
途端に澄んだ音に変わる
小さな町なのに
何年も通らなかった路地がある
通らなくってもよかった通り
時折行ってみたくなるが
大体 大したことは蘇らない
一人でお店の前に立っていた
じっと品書きをみて
手の中の硬貨と引き算をする
どこかのおじさんが後ろから
大きな声で注文した
僕の欲しかったものは売り切れた
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。