2014年08月17日
夜の氷
陽が暮れて湿気はあるけど風は少し冷たくなった
家の前の道路は街灯が少なくて
通りに出てもずっと遠くに蛍光灯の青白い灯りが
小さく見えるだけ
その先を左に曲がると昔からやっている和菓子屋さん
何年か前にパン屋さんも始めて
店の隅では夏になると菓子屋の時代からのかき氷を
売っている
あたりが暗かったから
多分七時くらいだったと思う
ゆっくりとサンダルを引きずりながら歩いていく
途中の道は足元が見えず ほんとにゆっくり
やっと街灯の下に来てその先を左に曲がる
店からは光が漏れてその一面だけが闇に浮かび上がっている
氷を食べる
甘くて冷たい氷
口に入れると静かに溶けていく
時折通る車の音
足元に触れる蚊
電灯に集まる虫
氷を口に含んだ時のシャクッという音
楽しい笑い声
夏の頂点は
もう秋の虫の鳴く夜
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