2014年07月14日
after 6
久しぶりに楽しい夜だった
話しの核心に触れたかというと
たぶん違うだろう
ただ 一人の人間としての彼
数年間付き合った友人としての彼を
静かに感じることができたことが
この旅の目的をすでに充たしてしまったかのように
僕はいい気持ちになった
「では また」
僕たちはその店の前で別れた
次に会うのは明後日だ
それまで 僕は残してきた仕事を片付けながら
この街を少し歩いてみようと思っている
ホテルに戻り テレビのスイッチを入れた
早口のアナウンサーが何か話している
たぶん最近の景気のことだろう
それほど余裕のある国ではない
個人にいたっては失業率も低くない
ただいろいろな重たい問題を
誰もがしっかりと仕舞い込める場所が
どこかにあるように映る
よその国の者が言うことではないかもしれない
が 感じることは
強さというよりもしなやかさだ
娯楽
そう 人生を賭けるほどの娯楽でもあり
ワイン片手にソファに持たれてテレビを見る程度の娯楽でもある
僕の国となんら変わるところはない
でもすべてが違うようにもみえる
タイミングがいいのか悪いのか
次の日は雨だった
久しぶりの雨らしい それでも午後からは
また金色の光が街を照らした
結局 仕事も観光も中途半端に終わってしまった
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