2013年09月25日
白いページ
突然の雨じゃ仕方ない
窓あけたままのクルマ
シートの半分が濡れていた
思えばあの頃は
窓をいっぱいに開いて走っていた
風の巻く音や草のにおい
ずっと続く虫の声
前も後ろも自分だけ
ちょっと怖さも感じながら
それでも暗闇の奥へ奥へ
吸い込まれるように
スピードを上げていったものだ
時間はあっという間に過ぎていったが
今のような消滅感はなかった
今ではそんなこと考えもしない
湖のほとりを抜けるカーブも
そのままあの頃に置き去りだ
雨上がりに風が運んでくる
においや音は
今ではなくて
あの時の自分を違う道に曲がらせようとする
きっと違う人生もあったなと
深く息を吸い込むのだ
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