2013年06月28日
long good bye

人の二面性とは
二面だけじゃなくて何面もあるとも思うが
本来の自分でなければ それに対しての二面なのだろう
ある晴れた日 家から少し離れた道を歩いていた
突然のようだがそうではない
日課のように同じ時間同じ道をたどるのだ
ゆっくりとある時は空を見上げながら またある時はずっとうつむいて
同じ道を歩くからそんなこともできる
見逃してしまった雲の流れも
川の向こうを手を取り合って歩く老夫婦も 足元の花と戯れる小さな虫も
今日でなくていい もちろん明日でなくてもいい
同じ道を歩くとは そこにあるという無意識の安心なのだ
そしてその変化を感じることなのだ
あるとき 道端で動く黒いものが目に入ってきた
それは たぶん力尽きて落ちた小さな虫を たくさんの蟻が周りを取り囲んでいる
あまりの数にひとつの大きなうねりが道の片隅を独占しているかのようだった
きょうは曇り 昨日の雨の余韻が残っている
その合間にあの皆は 空から落ちてきた恵みを
もみ合いながらかすかにかすかに
運んでいるのだ
いつもある風景の中に現れた 今日の変化
安心感はない
何かが 少しずつ胃のあたりからあがってくる
もし気が付かなかったら 踏みつけていたかもしれない
そのあたりからその何かは胸のあたりで不安と焦燥に変化した
どんな生き物にもなりたい姿や命ある間の理想があるように思う
たとえ人間から見て人間と同じような思考がないとみられている生き物も
本来の役割というものを果たすためにまっすぐに生きていこうとするはずだ
そうであってほしいしそうでなければ 生きることの意味などどう考えればよいのか
となってしまうはずだ
その理想というのは どうも一つではないと感じるようになっている
たったひとつ 頂点 だから理想じゃないの
まったくその通りだ
ただその理想がどこにあるかがいまだわからないから苦しんでいるのだろう
では この蟻に囲まれた虫の姿は理想なのか
無数にむらがる蟻の姿も理想なのだろうか
あるいはそこに向かう途中にいて目の前の現実に臨んでいるだけなのだろうか
ましてやそれを黙って見ている自分も同じことなのか
ただ わかったことはいつかどこかでそれが止まるということ
永遠に
止まってしまったものとその途中にあるものを今見ているのは
たぶんその途中の方にいる自分
外からの情報で自らの内を省みる
自分とその他 比べてみることで
喜怒哀楽を引き出す
心配は自分にした方がいいよ
それより今はやることがある
蟻は無数に群がっている
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