2012年04月28日
Journey
ゆっくりと日が暮れて
宵のはじまり
午前と午後
シフトで仕事は変わる
7時から午後3時と
12時から夜の8時
これが標準のパターン
どちらにしても
多少の時間がある
住んでいた家の裏には湖
人造湖というやつだが
けっこう大きい
ちょうどヒョウタンの形をしていて
その周りに遊歩道がぐるり
そしてそれに沿うように家が並ぶ
湖岸から遊歩道は芝生と
南国にあるような木が植えられている
ヒョウタンの一番くびれたところには
橋がかけてある
それほど大きな橋ではない
木造だ
白く塗ってある
で
仕事の時間の前か後
そのひょうたんを歩いたり走ったりして
まわるわけだ
季節は5月
暑い そのうえ乾燥している
最初は歩いた道を引き返していたが
だんだん 橋を渡ったり
すこし脇道へ入ったりと
余裕がでてきた
いつ歩いても芝は緑
ぽつぽつと人もいる
少し離れたところで
ビーチバレーのコートを見つけた
ヒョウタンの反対側には
レストランもあった
さらにはヒョウタンのようだと思っていた湖は
とても大きいと気づく
ヒョウタンは入り江で
いくつも似たような景色があって
ひとつのおおきな湖をつくっているのだ
歩いてしか行けないところだから
じっくりと胸にしみるまで数日かかった
いつでも そう
いつか行った温泉街は
濡れたコンクリートと
緩やかな坂道
両側にあるお土産やパチンコ
飲み屋
どこに行っても
時間が経つと象徴的な風景しか
思い出せない
きっとこの水辺も
その範囲でしか説明できないんだろう
でも
考えているうちに
木の高さや 水の色
通りかかった家からの犬の声
少しずつ ふっふっと浮かんでくる
仕事に向かう時間になって
あわてて家に戻る
Journey
あれはいつのことか
また今年も 連休が来た