2015年12月22日
冬至
どうやら この世界には不思議な力というものがあるようだ
半分信じているだけなのに
それにしがみつく
自分の中にある不思議な力
大抵は思いとは違う方に
よく働く
経験からしてまず間違いない
あるような気持ちにきりをつけて
あまり不思議と考えないのが
良さそうだ
半分信じているだけなのに
それにしがみつく
自分の中にある不思議な力
大抵は思いとは違う方に
よく働く
経験からしてまず間違いない
あるような気持ちにきりをつけて
あまり不思議と考えないのが
良さそうだ
2015年12月18日
近いような
低い山が重なりあう それが黒塗りの壁のように三方を囲んでいる
唯一開けた方角に向かって
ほとんどが滑り落ちていく
大きければ大きいほど
ひとつの規則で動くものだ
それも同じ速さで
だから時間も同じ速さ
歪むことなく
そしてまたすべてのものを
包み込んでいる
あぁわかった
ようなふりをして呟いてみる
僕の持っているいくらかを
少しの欺瞞と傲慢に費やした
山々の一辺に
燃える陽が消えていく
同じ速さで
唯一開けた方角に向かって
ほとんどが滑り落ちていく
大きければ大きいほど
ひとつの規則で動くものだ
それも同じ速さで
だから時間も同じ速さ
歪むことなく
そしてまたすべてのものを
包み込んでいる
あぁわかった
ようなふりをして呟いてみる
僕の持っているいくらかを
少しの欺瞞と傲慢に費やした
山々の一辺に
燃える陽が消えていく
同じ速さで
2015年12月17日
静かに
青白い光の軌跡を眺めながら 列車の窓の冷気に 手をあてる
暖かかった手のひらが ためらうことなく その熱を 曇りかけた窓ガラスに与えるのだ
やっと冬らしくなった
冷たくなった手のひらが
今頃 季節の声を受けとめた
暖かかった手のひらが ためらうことなく その熱を 曇りかけた窓ガラスに与えるのだ
やっと冬らしくなった
冷たくなった手のひらが
今頃 季節の声を受けとめた
2015年12月10日
ちょっとそこまで
朝早くに目が覚めた。
眠れないわけではないが 静かに目覚めてしまう
いつの間にか睡眠時間の占める割合が
少し減ってきていると感じる
人生への愛しさは
目覚めている時ばかりではなく
音も光も匂いもなく ただ眠る中にもある
体の縮むような冷たい風と
夜が来るのを切望してしまう
曇り空に
どうしようもない無力感が湧いてきた
ドアのキーに手を伸ばすには
もう少しばかり何かで勇気を
呼び起こす必要があった
何キロか何十キロか
離れているところまで
冷たく固くなったままでは
口を動かすにも努力しなくてはならない
もう一度目を閉じて
いつもより深く呼吸をした
グレーに濃く塗られた影は
目をあける毎に短くなった
だが 光の矢がその角度を変えるほど
濃度を増して
地面に貼り付いていったのだ
2015年11月21日
11月21日の記事
誰もが知る街で、僕は僕の知らない人達が
なんの前触れもなくその人生を終えたことをニュースで初めて知った
百数十の命
その重さを語る言葉などない。
刻々と耳に入るニュース
翌朝の新聞
テレビ ラジオ
人々には事が起きたことを
知らせるには十分だ。
リアクション
何人も外に向かって
自分の情報を発信できる今
笑いや喜びの感情以外の部分で
その時の感情を表現する
僕や私の日常ではないところ
これほど深く複雑な……
何に共鳴し、
何に抗うのか
どこに いろいろな道を
意味のあるものにできるのか
遠き地にいる私達は
一瞬でも
千年の歴史に
しっかりと目を通すこと
それも無限のなかの
ひとつとして
音や痛みや思考の
霞むほど高い壁の前で
今 しても良いことだと
静かに考える
ひとときの安らぎや快楽を求めて
こんなこといってるのが能天気平和
でもある
なんの前触れもなくその人生を終えたことをニュースで初めて知った
百数十の命
その重さを語る言葉などない。
刻々と耳に入るニュース
翌朝の新聞
テレビ ラジオ
人々には事が起きたことを
知らせるには十分だ。
リアクション
何人も外に向かって
自分の情報を発信できる今
笑いや喜びの感情以外の部分で
その時の感情を表現する
僕や私の日常ではないところ
これほど深く複雑な……
何に共鳴し、
何に抗うのか
どこに いろいろな道を
意味のあるものにできるのか
遠き地にいる私達は
一瞬でも
千年の歴史に
しっかりと目を通すこと
それも無限のなかの
ひとつとして
音や痛みや思考の
霞むほど高い壁の前で
今 しても良いことだと
静かに考える
ひとときの安らぎや快楽を求めて
こんなこといってるのが能天気平和
でもある
2015年09月11日
9月11日の記事
湿った空気が宇宙の色を思いっきり吸い込んだような
毎日 空の青がどんどん遠くなっていく
時計の針のように同じところに戻ってくる
でもどこかに近づいているのは確かな事なのだ
向こう岸との間には
空を写した静かな流れがある
いつも横切っていく
岸とのバーチカルが
届こうとする風に乗った気持ちを
あまりに遠く感じさせるのか
2015年08月06日
8月6日の記事
長い間同じことをし続けるのは至難だ
いつみてもずっとそこにある
毎日でもあるいは
何年も忘れてしまっても
ある日ふと思い出してみると
ちゃんとそこにある
おんなじ人がそこにいる
年をとってもカラダのあちこちが痛くっても
変わらずに全力でなく
気も抜かず
欲はあっても
そのためのみには動かない
僕が小さい頃
どうしても食べたかった小さな食堂の味
母に何度もお願いして
いくつもの道を横切って
おじさんはバイクでその味を届けてくれた
でもその頃のおじさんは
今の僕なんかよりずっと若くて
いわゆる働き盛りで
元気いっぱいだったのだ
何回か日曜日を迎えると その味が恋しくなり
おじさんのバイクの音を待つのだ
数年のあいだ
そんなことが続いた
他にもたくさんのことがあったと思うけど
少し静かにしていると
忘れてしまったおじさんの顔も
思い出せるような気がするのだ
でも
いつの間にか
そういうことを振り払いたくなる年頃になり
今でも思い出せないような昨日と同じ今日を過ごす日々が
延々と続いたのだ
いろいろなことが後から後から浮かんできてはすっと消えていく
最近はそんな繰り返しに少しうんざりしながらも
痛むカラダを無理やりに動かしている